エイジフレンドリー補助金とその問題点について(道明道弘)20240826
近年の高齢者の就労拡大に伴い労働災害が増加したことから、高齢者が安全に働けるような職場環境整備の推進を目的として令和2年から始まった「エイジフレンドリー補助金」ですが、
本年度も「令和6年度エイジフレンドリー補助金」の申請受付が令和6年5月7日から開始しました。
現在、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会内の「エイジフレンドリー補助金事務センター」が申請及び支払いを行っています。
注意点は、関係書類は「郵送または宅配便のみ」での受付となっていて、さらに、「助成金」とは違い「補助金」ですから、交付決定額が予算に達した場合、申請受付期間中であっても受付を締め切るとされています。
条件に合致する場合には、早めに検討・申請することがおすすめです。
次に、補助金の対象となる企業の要件として「エイジフレンドリー補助金」を申請するためには、まず下記の基本要件を満たす必要があります。
• 労災保険に加入している
• 中小企業事業者
• 1年以上事業を実施している
また、「エイジフレンドリー補助金」には、下記3つのコースがあります。
1. 高年齢労働者の労働災害防止対策コース
(1)転倒・墜落災害防止対策
• 作業場所の床や通路のつまずき防止、滑り防止のための対策
• 転倒時のけがのリスクを低減する設備・装備の導入など
(2)腰痛予防対策
• 不自然な作業姿勢を解消するための作業台などの設置
• 重量物搬送機器・リフトの導入(乗用タイプを除く)
• 重筋作業を補助するパワーアシストスーツの導入
• 介護における移乗介助、入浴介助の際の身体的負担を軽減する機器の導入など
(3)熱中症防止対策
• 熱中症リスクの高い暑熱作業のある事業場における休憩施設の整備
• 体温を下げるための機能のある服の導入など
(4)交通災害防止対策
• 業務用車両への踏み間違い防止装置の導入
2. 転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
※ 専門家:医師、理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント、アスレティックトレーナーなど
3. コラボヘルスコース
(1)健康教育・研修など
※ オンライン開催、eラーニングなどを含む
(2)システムの導入
※ 初期導入費用のみ対象。ただし、パソコンの購入は対象外
(3)栄養・保健指導
※ 健康診断・歯科健康診断・身体機能チェックにかかる費用は除く
上記3つのコースです。
この補助金の問題点としては、前述のことも含め、
•1 補助金によっては、高いハードルの要件を満たす必要がある
•2 申請から発注まで、それなりに時間がかかる
•3 実は、補助金を受けられる回数には制限がある
•4 補助金の種類によって事業目的は異なる
です。
さらに、他の資金調達方法を選択した方が、効果が高いこともあります。
例えば、補助金の最高で100万円ですから、リースを使うとかの方が楽の場合もあります。
ただし、中小企業が対象のため、少子高齢化で高齢者労働者が増えている現状から、その健康安全のためにも、問題点は前述のごとくあるとは言え、申請することは必要なことと思います。
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